オウム真理教の教祖・麻原彰晃と幹部信者13人が2018年7月に死刑執行になって、1年がたちます。
1995年の地下鉄サリン事件以降、元信者や裁判の取材を続け、死刑囚・無期懲役囚との面会や手紙のやり取りを続けてきた東京新聞社会部の記者・瀬口晴義さん。400通に及ぶ手紙を死刑囚や無期懲役囚らと交わし、事件の被害者、元信者、死刑囚の家族たちからも話を聞き、数々の新聞記事を書いてきました。
その集大成として、瀬口さんが書き上げたノンフィクション「オウム真理教 偽りの救済」(集英社クリエィティブ刊 1600円+税)が19年6月26日に発売になります。
目次:
序章
第1章 時代
第2章 超能力
第3章 欲望の象徴
第4章 武装化
第5章 救済殺人
第6章 師弟対決
第7章 捜査迷走
終章 終わらないオウム事件
墓碑銘
*本書後半の「墓碑銘」と題された文章では、死刑執行された12人の元幹部信 者たち、一人ひとりの人柄や、裁判や刑期中にどのように過ごしていたのか、 死刑執行をどのように迎えたのかが語られています。
*このサイトでは、墓碑銘の一部を読むことができます。
あの怒涛のような80年代後半から95年にいたる一連の騒動を覚えている人も、事件後に生まれて何も知らない人も、この驚愕の20世紀の歴史的事実と今、向き合ってほしいと思います。
教祖の妄想から作り出された不可解な価値観を信じ、外部に敵をつくり暴走した教団。陰謀論やフェイクニュースがはびこり、単純な思考によって攻撃的になる現代社会は、オウム的な世界とどこか似ているのではないだろうか?
さらに「オウム化」していないだろうか?
*山形刑務所にいる杉本繁郎無期懲役囚は5000枚に及ぶ手記や回想録を書いている。著者は、杉本との長年の交流に基づき、本書に記された教団で起きた出来事について、知る限りの「ファクトチェック」をお願いしている。
【瀬口晴義 プロフィール】
1964年生まれ。東京新聞記者。87年に中日新聞入社。東京新聞社会部で司法担当記者を長く担当。95年3月の地下鉄サリン事件以来、オウム真理教事件の報道を続ける。元信者や刑事裁判の取材、死刑囚、無期懲役囚との面会、手紙のやり取りを重ねる。2009年8月から2013年10月まで、東京新聞の朝刊1面コラム「筆洗」を担当。2015年には金子兜太・いとうせいこうを選者とした「平和の俳句」を企画、担当した。著書に『人間機雷「伏龍」特攻隊』(講談社)、『検証・オウム真理教事件』(社会批評社)ほか。
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